急性期病院の言語聴覚士。看護師さんとのコミュニケーションが欠かせないはなし。

急性期病院の言語聴覚士。看護師さんとのコミュニケーションが欠かせないはなし。

【性別】女性
【年齢】(仕事が大変だった当時)
24歳

【当時の職業】
急性期病院で言語聴覚士

【当時の住まい】
実家の一軒家で両親と同居。

【その仕事はまだ続けてる?もう辞めた?】
今も同じ職場で働いている





【就職のきっかけと経緯】
急性期病院で若年から高齢者までの様々な症例、特に高次脳機能障害患者に対する言語聴覚療法が実施できる職場を希望し、新卒で入職しました。

【環境と仕事内容】
800床を有する高度急性期病院のリハビリテーション科所属、役職無しの言語聴覚士。
リハビリテーション科は約50名ほど。
勤務は日勤帯のみで、土日は出勤者を減らして交替勤務。
給与は新卒でも380万円程度と他院よりは高め。
対象は、脳血管疾患、神経変性疾患、呼吸器疾患、廃用症候群による高次脳機能障害、失語症、構音障害、摂食嚥下障害などを呈した入院患者と一部外来リハビリを実施。

【大変だった時期】
2年目から現在まで。




【大変だったこと】
嚥下障害を有する患者が発熱した際に、医師、看護師から真っ先に誤嚥が疑われること。
ST介入している嚥下障害を有する患者の食上げを、病棟や医師がSTの評価を待たずに行っていることがしばしばあること。
高次脳機能障害を有し、高次脳機能面からはリハビリ転院推奨患者が病棟内ADL自立のため自宅退院方向になってしまい、退院時指導に苦慮した。
カンファレンスや委員会の時間を考慮されず、18単位ノルマであり、18単位とれれば1時間残業代が付けてもよいという科内の雰囲気があり、サービス残業をせざるを得なかった。
また、患者数が少ない時期であってもノルマは変わらないため、本当に必要なリハビリなのかと疑問に思いながら、介入頻度や時間を増やして介入せざるを得ない時がしばしばあり、病院の収益と患者の利益の点で葛藤した。

【大変だった期間】
現在まで継続している。




【当時の心境】
誤嚥リスクが高い患者を担当している時は、自身の休み明けに発熱していないかいつも心配であった。
ノルマのために必要度の低い患者に介入継続するのは良心が傷んだ。
また、サービス残業が続くと心身ともに疲弊してしまっていた。

【職場が大変だった原因】
嚥下障害患者のリスクは業務の内容上致し方ない部分であると思う。
働き方に関しては、病院の体質であると思う。




【仕事で良かったこと】
嚥下障害を欠食から経口摂取まで持って行けた時の食べれる喜びを共有できる点、また、失語症患者が症状改善に伴い話せる実感を持つのを一番近いところで見守れるところが遣り甲斐を感じる。
また、若年患者中心に、軽度失語や軽度高次脳機能障害患者が転院はしないけれど職場復帰を目指す際の支援は、責任も重いが遣り甲斐を感じる。




【特にひどかった最悪の出来事】
在宅医療を受けながらも入退院を繰り返す嚥下障害患者。
入院するたびにST処方が出され、STと嚥下チームで介入。
嚥下機能低下あり、機能的にはきざみとろみ食が妥当だが、本人の嗜好の問題や、家族が普通食を食べさせたいとの訴えが非常に強く、病院食の形態はきざみとろみ食だが差し入れは何でもOKになった。
病室にはバナナをはじめとした果物やせんべいなど窒息リスクの高そうなものばかり。
毎度退院前には、食形態や食べ方の工夫を一応指導し、在宅医からも嚥下機能低下についてお伝えされているものの、おそらく自宅へ戻った後は普通食を召し上がっており、誤嚥性肺炎を繰り返している。
ST介入の意義が不明であり、対応に毎度困っていた。




【相談した人・助けてくれた人】
同期はいつも相談にのってくれ、お互いに愚痴をこぼしあえる存在であり、入職してから現在まで本当にありがたく思っている。
また、悩んだり迷ったりしているときには道を示してくれる上司がおり、大変頼りになっている。

【改善のための行動】
誤嚥リスクの高い患者の食事時の注意点は、口頭で看護師さんへ申し送りするほか、周知されるようにカルテを開いたときに一番目につく場所に入力していた。
特に自身が休みの前日や連休前には必ず記載するようにしていた。




【現在の状況と心境の変化】
嚥下障害患者の食事を病棟に任せることに多少慣れてきてはいるものの心配は絶えない。
依然として単位ノルマはあるので、臨床や事務作業などを含めて忙しい日々であることには変わりないが、徐々に仕事の効率化も進んできてはいる。
患者さんとの関わりにおいては、大変なことももちろん多いが遣り甲斐を感じる場面も多々ある。

【学んだこと】
他職種とのコミュニケーションは何事においても大事、日ごろからのコミュニケーションができているといざとなった時に助けてもらえる。



【当時の自分へのアドバイス】
病棟の看護師さんとのコミュニケーションが一番大事、コミュニケーションがとれていれば、STが介入できていない食事の場面のこともこまめにカルテに残してもらえ、こちらも安心できる。
医師とのコミュニケーションも大事、患者の状態をなるべく早く伝えれば適切な退院先や転院先を検討してもらえるので、見通しははやめに立てる。